スタートアップ企業の従業員が受け取るストックオプションは、上場時に巨万の富を生む可能性があります。しかし税務処理を間違えると、予想外の税負担が発生します。
ストックオプションの基本
自社株を将来決まった価格で買える権利。
- 付与時:課税なし
- 権利行使時:時価と行使価額の差額
- 売却時:行使時の時価と売却価額の差額
税制適格ストックオプション
一定要件を満たすと、権利行使時は課税されず、売却時のみ課税(20.315%の軽減税率)。
要件
- 権利行使価額 ≥ 付与時の時価
- 年間権利行使額 ≤ 1,200万円
- 権利行使期間:2年〜10年
- 譲渡制限付き
税制非適格ストックオプション
- 権利行使時に給与所得(最大55%課税)
- 売却時にさらに譲渡所得(20.315%)
- 二重の課税リスク
計算例
行使価額1,000円、権利行使時時価5,000円、売却価額10,000円、1,000株の場合:
税制適格
- 権利行使時:課税なし
- 売却時:(10,000-1,000)×1,000 = 900万円 × 20.315% = 約183万円の税金
税制非適格
- 権利行使時:(5,000-1,000)×1,000 = 400万円 × 55% = 220万円
- 売却時:(10,000-5,000)×1,000 = 500万円 × 20.315% = 102万円
- 合計:322万円
税制適格なら約140万円の節税。
2024年改正
- 年間権利行使額:1,200万円 → 2,400万円(設立5年未満)
- 年間3,600万円(5年以上20年未満)
注意点
- 上場前の付与タイミングが重要
- Jobs法など米国企業の場合は要確認
- 専門家(税理士)への相談必須