遺言書があれば、相続人間のトラブルの多くを防げます。自筆か公正証書か、それぞれ長所短所があります。
自筆証書遺言
- 全文手書き(財産目録はPC可)
- 日付、署名、押印が必要
- 費用:ほぼゼロ(用紙代のみ)
- 2020年から法務局で保管可能
公正証書遺言
- 公証人役場で作成
- 費用:5万円〜(財産額による)
- 証人2人必要
- 確実、紛失リスクなし
比較表
| 項目 | 自筆 | 公正証書 |
|---|---|---|
| 費用 | 0〜3,900円 | 5〜30万円 |
| 手間 | 少ない | 多い |
| 確実性 | △ | ◎ |
| 検認手続 | 必要(法務局保管除く) | 不要 |
| 紛失リスク | △ | ◎ |
| 改ざんリスク | △ | ◎ |
自筆遺言の書き方
- 全文を自分の手書き(財産目録はPC可)
- 年月日を正確に記載
- 氏名を署名(実印が望ましい)
- 財産を具体的に特定
- 誰に何を相続させるか明記
書く内容の例
「私(氏名)の財産を下記のとおり相続させる。
一、長男○○に、東京都○区○○○番地の土地建物を相続させる。
二、長女△△に、三菱UFJ銀行○○支店の預金を相続させる。
三、妻□□に、残余財産全てを相続させる。
年月日 氏名 印」
法務局保管制度(2020年〜)
- 費用:3,900円
- 自筆遺言の紛失・改ざん防止
- 家庭裁判所の検認不要
- 相続人への通知サービス
公正証書のプロセス
- 公証人役場に相談
- 財産目録・戸籍準備
- 証人2人を同伴(法律事務所でも手配可)
- 公証人の前で内容を口述
- 公証人が文書化、署名押印
- 正本・謄本の交付
遺言に書けること・書けないこと
- 書ける:財産の分配、認知、後見人指定、祭祀継承者指定
- 書いても効力なし:延命治療の希望、葬儀の希望(※これらはエンディングノートへ)
遺留分への配慮
遺留分(配偶者・子の最低限の相続権)を無視した遺言は、後に減殺請求されて無効化。
- 配偶者・子:法定相続分の1/2
- 遺言作成時に配慮が必要